phpnew (phpnew) wrote,

電話ボックスで花火の画像

本当に真はいなくなった。いやなっていた。

その朝から、この冗談みたいな手紙を一つだけ残してあの子は消えたのだ。一度も帰ってきてないし連絡も無い。
tumi 26108
だけど留学したことになってたり、両親からいくつか言い含められたことを考えると、親は何かもっと知っている気がする。いつもは甘えればころっと財布の紐が緩くなる父でさえ貝の様に口を閉ざす話題なので、ひょっとしたら二人の過去に関係しているのかも。

出会いとか馴れ初めとか、ウチの親はどうにも謎が多い。惚気るくせにどこでデートした、とかどんな風に出会ったかとか毎回場所が変わるのだ。別に娘が親の恋愛を知っていても問題ないと思うんだけどね。謎だ。

大体、二人揃って写真が嫌いで昔の写真は保管してないなんて言ってる癖に、私と真と真理でアルバムがそれぞれ何冊もあるのは何でよ? ”我が家”とかいうアルバムが季節ごとに一冊増えてるのはどうしてよ? むしろ好き過ぎでしょうが!

親戚付き合いが無いのは、まあ面倒が無くて良いけどね。代わりに両親の友人は何人も家を訪ねてきてくれて、私達姉弟は家族以外の親戚繋がりが無くて寂しいなんて思いはしたことが無い。

時々明らかに国外からのお客様も見えて緊張していたのも、今では楽しみの一つになった。

ああ、話がずれた。

真の手紙のことだった。

行き先と目的は言うまでもない。それは過去だ。パソコンは決して家族に触らせない子で処分なんてさせるわけが無い。あの子は私にいつもスポーツドクターを勧めていた。真理にノックを覚えさせるのは無理だと、とうの昔に結論を出していた。

全部おかしかった。

あの子が私の小児科という道を認めてくれたのは嬉しい。面と向かってではなく、居なくなる前の手紙でってのは少し惜しいけれど。

家族や親しい友人には話しているけど、私が医学の道を志したのは、|単(ひとえ)に真が切っ掛けだった。
tumi 26114
どこまでも虚弱で、何やっても熱出して倒れる。そんな真を煩わしく思うことも多かったけど。小さい頃の私はあの子のお世話に追われることも多かったし。

その弱さは、人よりも少し体の弱かった私のコンプレックスを見事に消し飛ばしてくれた。私なんて弟に比べれば全然普通なんだってね。

ほぼ強制で続けさせられている柔道にしても家事にしても、私より弱いあの子を守ろうとする気持ちと、私よりも弱いあの子が頑張っているという気持ちで続けられたと思う。

結局柔道は習慣になってしまった。家事は大学生になってからも自宅から通っているので当番制。ほら、大学生ってお付き合いも多いから(真に)変わってもらうことも(多々)あるけど。

今の私は家事は一通りこなせて、教授や先輩後輩同級生から声がかかる程度に見栄えもして、それでいて軽量の競技選手で上位に入るくらいには柔道も身についた。

選手として生きていく気は無かったから大学に入ってから公式な試合とかには出てないし部にも所属してないけど、高校時代はインタビューとか受けたこともある。

体こそ、やっぱり普通の人より少し弱いのだけど十分健康だ。多少疲れやすいくらいだろうか。

医学部に入るという話が何処からかマスコミの人に知られた時、体の故障を疑われたりもしたがそんなことはない。

実際、真の怪我やら病気やらを私が治してやりたいという想いからの志望で体に故障は抱えてない。

もっとも、あの子はもう私なんかよりも体力もあるし普通に走り回れる。幼い頃の想いはただの切っ掛けで済んだ。少し寂しいけど、素直に嬉しい。
http://www.bagsracket.com
そういえば、真はご飯を作るのにコンロの火の前に立つのも外に
  • Post a new comment

    Error

    Anonymous comments are disabled in this journal

    default userpic

    Your IP address will be recorded 

  • 0 comments